警戒区域 危険区域 危険個所

日本には災害が起きやすい脆弱な土地が多数存在します。官公庁がこうした土地を「警戒区域」「危険区域」「危険個所」といった名称で区割りを行っています。もちろん、区割りにかかっていないところで災害が起きたり、区割りにかかっているところで災害が起きなかったりしますが、脆弱な土地であるかどうかの一つの目安となります。

ただし、根拠となる法律や所轄官庁の違いにより似たような名称で中身が随分と異なったり、名前が異なるのに同じような内容であったりと、専門家でも勘違いをすることがしばしばあります。

この記事では、覚え書きとして整理してみようと思います。

警戒区域

災害対策基本法による警戒区域

災害対策基本法第63条に基づく

災害に際して市町村長が指定し、対策要員など許可を受けた者以外の立ち入りが制限される

法律上は応急措置であり、時限措置である

土砂災害警戒区域(特別警戒区域)

土砂災害防止法(土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律)に基づく

都道府県知事が指定する

  1. 急傾斜地の崩壊
  2. 土石流
  3. 地滑り

の3種類の災害が対象となる

土砂災害警戒区域(通称「イエローゾーン」)

イエローゾーンでは行政が警戒避難体制の整備を図る必要がある

土砂災害特別警戒区域(通称「レッドゾーン」)

レッドゾーンでは、イエローゾーン同様の警戒避難体制の整備を行う

都市計画法に基づく特定開発行為(住宅宅地分譲、社会福祉施設等の建設)に許可を要する

建築基準法に基づく建築確認の際に建物構造上、土砂災害対策が求められる

津波災害警戒区域(特別警戒区域)

津波防災地域づくりに関する法律に基づく

都道府県知事が指定する

津波災害警戒区域(通称「イエローゾーン」)

イエローゾーンでは行政が警戒避難体制の整備を図る必要がある

津波災害特別警戒区域(通称「オレンジゾーン」「レッドゾーン」)

病院、社会福祉施設等については、病室等の居室の床の高さが津波の水深以上であること等を求める(オレンジゾーン)

市町村条例で定めた区域について、住宅等の規制を追加することができる(レッドゾーン)

 

指定地

砂防指定地

砂防法第2条に基づく

国土交通大臣が指定し、都道府県が管理を行う

砂防指定地の指定を要する土地

  1. 山腹の崩壊等により土石流が発生する恐れが高い河川・渓流
  2. 土砂等が多く堆積して、砂防設備の設置が必要な渓流

砂防指定地内では伐採や土石・砂れきの採取等、一定の行為制限が生じる

危険区域

急傾斜地崩壊危険区域

急傾斜地の崩壊による災害の防止に関する法律に基づく

都道府県が指定し管理を行う

開発行為等に制限が生じる

地すべり防止区域

地すべり防止法に基づく

国土交通大臣が指定し、都道府県が管理を行う

切土等、一定の行為制限が生じる

危険区域

山地災害危険地区

根拠法はなく、林野庁が所管で都道府県が指定する

区域内に制限等はなく、行政の事業を行うための目安である
(国土交通省所管の土砂災害危険個所と同質)

災害の種類により3種類が存在する

  1. 山腹崩壊危険地区
  2. 崩壊土砂流出危険地区
  3. 地すべり危険地区

災害危険区域

建築基準法第39条に基づく

地方自治体が、条例に基づき災害危険区域を指定することができる

災害危険区域内では、建築物の建築の禁止あるいは制限を行うことが可能

例:風水害・津波・高潮害を軽減するために区域内の建物の用途、地盤高・床高制限、構造等を規制することを検討する。

危険個所

土砂災害危険箇所

根拠法はなく、国土交通省が所管で都道府県が指定する

区域内に制限等はなく、行政の事業を行うための目安である
(林野庁所管の山地災害危険地区と同質)

災害の種類により3種類が存在する

  1. 土石流危険渓流
  2. 地すべり危険箇所
  3. 急傾斜地崩壊危険箇所

雪崩危険箇所

土砂災害危険個所に準じるが、災害は雪崩の1種類である